晩春
- アーティスト: くるり,岸田繁,佐藤征史,大村達身
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2002/03/20
- メディア: CD
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岸田くんの声は、懐かしくて甘い胸の痛みを思い起こさせる。
久しぶりにくるりを聴いてみた。
曽我部バンド・サニーデイサービスと同じように、
強いバンドであるような気がする。
学生のころ、熊本ジャンゴで初めてくるりを見た。
まだまだ、今のようにくるりは知られていなくて、
大勢のズボンズファンの前に、彼らは地味に登場した。
ひとつの歓声もない静かな空気の中、
地味にセッティングをし、
地味にチューニングをして、
大げさなほどにカッコいい『モノノケ姫』や
ウソのように美しい『東京』を(轟音で)演奏したのだ。
3人は、荒々しく輝いていた。
それから何度か新曲を心待ちにし、ライブで胸を震わせてきたけれど、
モッくんが抜けて、違和感が生まれ、今では疎遠になってしまっている。
サニーデイが解散したときもそうだったが、
私は、好きな気持ちが強かっただけ、反発する速度も速いようだ。
拒否してるわけではないけれど、
新曲を楽しみにしたり、ライブに行ったりすることはもうないような気がする。
私が歳を取ったせいもあるのだろうな。
今、なんとなくディスクを選び、ステレオを鳴らしているのだが、
センチメンタル。
晩春の夕暮れに、とても良く似合う音楽だと思う。