きはらん、八朔をむく。
きはらんが、八朔をむいてくれた。
包丁を持ち出したら、要らん、と言われたので、
どうやるのかと思ってじっと見ていた。
まず、厚めに皮をむき(こうするとあとが簡単なんだそうだ)、
八朔の実をひとつずつバラし、
プチンと歯で切れ目を入れ、
薄皮をむいていく。
つるん、とキレイに裸にされる八朔たち。
さすがきはらん、もと青果部主任。
乾いて甘いものかと思っていたけど、
八朔って、意外と酸っぱいんですね。
白い皿にまるく行儀良く並べられた八朔を見ていたら、
きはらんがどっか行っちゃったら、
私は八朔さえむけないんだ、
と思った。