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内容は、ないよう。

メール

深夜3時、さとしくんからメール。
これから1〜2週間、注意が必要かも、という内容だった。
自分はもう出ていける立場ではないので、
妹になにかあったらよろしく頼みます、ということだった。
ひとりの人と長く続かない妹の、大分に来てから何番目の彼だろうか。
ちょっと頼りないとこもあったけど、すごく優しくて、いい子だった。
今度はずっと続きそうな気がしていたけど、だめだった。
私たちには分からないことも、あの子は感じているのかもしれない。
たしかに今の妹は、不安定で弱い。
きはらんにもメールを見てもらう。
どうしよう、というと、
とりあえずこまめに気にかけてやるしかないよ、と返事が返ってきた。
妹の歩いている道には、とつぜん穴が開く。
誰も、いちばんそばにいる肉親である私も、
なにより妹自身も気付かずに、その穴に落ちてしまうのだ。
とてもキレイに、つるん、と足を滑らせる。
ゆうべ笑っていた子が、今朝は病院のベッドでつらそうな顔をする。
どうしたらその穴をふさいでやれるのか。
どうしたらその穴に落ちないように手を引いてやれるのか。
どうしたら。
もっともっと、分かってやらないと。
まだまだまだまだ、足りないのだきっと。