q-BOOK

内容は、ないよう。

おかあさん

今日はおかあさんのお誕生日。

おとうさんよりふたつ下のはずだから、・・・いくつだっけな。


うちのお母さんは、鹿児島にいる。

小さな田舎町で、幼稚園の先生をしている。

私が生まれる前からずっとだ。

子供があまり得意ではない私からしたら、

良く続けられるなと思う。

責任の大きな、大変な仕事だ。

公立なので人手が足りず、いつもしんどそうで、今年こそ辞めるけどね、

と毎年言う。

おゆうぎ会前には、いつもうちのテレビの前で、

私や妹を相手に練習用のビデオを見て踊っていた。

ひざが悪く、ひとりだけ椅子に座ってゴハンを食べる。


私はお母さん子だ。

お母さんの言うことはすべて正しいと思っていた時期もあった。

でも甘やかされた記憶はあまりなく、お父さん同様厳しい人だった。

あまり手を上げたりということはなかったけど、

たまにヒステリックになったりして怖かったのを覚えている。


基本的には女の子の心を忘れていない、かわいらしい人だ。

西郷輝彦が好きで、手作りが好きで、『マグカップ』と言えなくて、

お父さんとデートするのが好きで、花を育てる名人で

(うちの庭はそこらの花屋よりすごいです)、

にんじんのケーキを作るのが上手で、

適当に生きている私と違い、絶対に弱音を吐いたりしないし、あきらめない。

忍耐と辛抱の人である。


私に鹿児島に帰ってきて欲しいらしく、

早く結婚しろ、とか言われた記憶がない。

逆に、やけっぱちになって『私も結婚しようかな』とつぶやいたら、

一生のことだからもっと良く考えなさい、焦る必要ないんだから、

と言われてしまった。

お父さんに若い恋人がいた時期だったので、妙に説得力があったのを覚えている。


自分の夫の恋人を、手料理を作ってもてなした、

という伝説を持つ人だ。

お父さんの浮気と妹の心の病が原因で毎日泣いてノイローゼ気味になっていたころ、

離婚してこっちで一緒に暮らさない?と言うと、

お父さんが目を覚ました時には結局お母さんしかいないんだから、

と言った。


分かる気がする・・・


今は、とくにそういうこともなくなったのだが、

今度はおばあちゃんのことで悩んでいる。うちもいろいろあるもんだ。


とにかく、自慢の母親です。

結婚はしたくないけど、きはらんの子供を産んで、あんなお母さんになりたい。


鹿児島に帰りたいかも。