q-BOOK

内容は、ないよう。

たまご

お昼、エサやりのとき、何気なくメダカを見ていると、
一匹のお腹が大きく膨らんでいた。
幅の広いメダカだなあ、と思いながらよくよく観察してみると、
それはお腹ではなく。
え??
タマゴ??
目を凝らして見てみるが、やっぱりタマゴだ。
小さなタマゴを10個ほど、お腹にくっつけて、
そのメダカは水面近くをフラフラと泳いでいた。
ちょっとちょっと!
何食わぬ顔で泳ぎ続ける彼女を呼びとめ、
台所から持ってきたお米の計量カップですくい、
小物入れになっていたガラスボウルを洗い、
そこにプラケの水と1本のアナカリスを入れ、
(ついでにモノアライガイも一匹入れてみた)
その中に母さんメダカ(タマゴつき)を静かに放す。
ふう。
これで安心。
ガラスボウルは、そのままプラケの横に置いておく。
カーテン越しの光もよく当たるし、寒くはないだろう。
それにしても。
まだ一月ですよ。
暖かい部屋の中とはいえ、もうタマゴを産んでしまうなんて。
予想もしていなかった出来事だ。
窓際に寝そべって、母さんメダカを観察する。
まんまるいガラスの中、
昼下がりの柔らかい光にアナカリスが透き通って見える。
その中を縫うようにすいすいと、
母さんメダカは気持ち良さそうに泳いでいる。
良い光景。
これぞまさしく、めだかセラピー。
夕方、ボウルをのぞくと、母さんメダカは元のスマートな体型に戻っていた。
底のほうに、タマゴの粒々が落ちている。
おつかれさま、と母さんに声を掛け、
アナカリスと水もプラケに戻し、
タマゴは水道水を足した計量カップの中に移す。
水の鮮度に気を付けながら、
このまま10日もすれば赤ちゃんメダカが生まれるだろう。
今年初なので、きはらんに『過保護だ』と呆れられながらも、
大事に大事に育てようと思います。