q-BOOK

内容は、ないよう。

ハシゴ後半

左下の奥歯の詰め物が取れて激しく痛むことがあるので、
歯医者に行った。


末広町に住んでいたときに通っていた、若草公園近くの歯医者。
ここは、痛くなくて、大げさでなくて、何より先生が好きなのだ。


日赤の帰りにそのまま行ったのだが、ちょうどお昼休み中で、
待合室で手帳の整理をしたりテレビを見たりしながらお昼の診察を待つ。


14時になり、新しく診察券を作ってもらうべく保険証を提出。
名前が呼ばれ、診察室へ。
診察台に腰掛け、出来るだけ口を大きく開け、歯の状態を見てもらう。
あー、と先生。


取れてるねー、こりゃ痛いわ。


診察の前にレントゲンを撮る。
昔のレントゲンて、なんだか固い薄い痛いものをムリヤリ噛まされてましたよね?
でもね奥さん、今違うみたいなのよ!
機械から出ている出っ張りを噛んで、じっとしてるだけ。
あたまの周りをなんやらマシーンがぐるぐる回る。15秒くらい。
で、ハイ、終わり。
写真も、撮影された本人より先に先生の前におでましになっている。
神経まで届いちゃってるみたいだから、抜きましょうね。
何でもないことのように、軽く簡単に、先生は言った。
左上の奥歯の神経も、むかし同じ先生に抜かれた。
神経を抜いたりすると、どこかおかしくなりそうな気がするんだけど。
じゃあ止めとく?と聞かれても断るだろうし、
快適な日常生活を送れているのでいいんだけど。


ふたたび診察台。
神経を抜くため麻酔を打たれる。
麻酔って、ものすごく痛いものだった思い出があるけど、
まったくまったく、痛くない。
10分ほど放置され、くちびるの感覚がなくなってきた。
痺れているのがおもしろくて、何度も触って確かめる。
じゃあ、ゆっくり抜いていきますねー、痛かったら言ってね。
ういーーん、がががが。
痛くない?と先生が聞いてくれるので、ふるふるとあたまを振る。
全然痛くないです。
針先は、さらに奥へと進んでいく。
ががががが。
・・・・
!!
いきなり痛みが走った。
あがー、と声を出したのと先生が手を引いたのがほぼ同時だった。


今日はこれまで、とマスクを外しながら先生は言った。
奥の奥まで、まだ麻酔が届いていなかったらしい。
女の子だし、こんなに暑い日にどんどん麻酔打って行って、
具合悪くなったら大変だからね。
ぽっかりと穴が開いた歯にザラザラする詰め物を詰めてもらった。
どんな痛みにも効くという痛み止めの薬の処方箋を出してもらい、
歯医者を後にする。


よーし。病院ハシゴ、おしまーい!
なんだか自分の体を大事にしている気がして自己満足。うひ。


にしても、どこ行っても名前の読み方を聞かれる。
日赤の受付で聞かれ、しこりの細胞を調べる技師さんに聞かれ、
歯医者の受付で聞かれ、薬局の受付でも聞かれた。
呼ばれるときも、必ずと言っていいほど最初は間違われる。
そりゃあ確かに、私のシャチハタは2000円のオーダーメイドですが。
そんなに難しい字でも、読めない読み方でもないと思うんだけどなあ。