q-BOOK

内容は、ないよう。

おかえり

いつものようにバスを降り、家までの道。
いつものパチンコ屋さん(1回だけ勝ったことがある)の、
いつもの警備のおじさんが。


『おかえり』


と声を掛けてくれた。
いつも特に笑顔というわけでもなく、
言葉を交わしたことがあるわけでもない。
今日もそう言ったあとは、なんとなく照れくさそうにしていた。
私も、『おつかれさまです』、と言葉を返す。


ひとことだけでしたが、なんだか嬉しかったです。
言葉を交わすって、大事なことだ。
気持ちのキャッチボール。
たとえそんなに知らない人であっても、
落ち込んでるときや疲れたときには、
何気ない言葉ですごく救われる気がする。
小さなありがとうを、大事に出来る人になれたら。


そんなことを考えていたら、
さっきまで鬱陶しくて仕方なかった温い夜風が、少し気持ちよく思えました。